今回は、空室対策として提案される方法には、その場しのぎとして「一時的な効果」しか期待できないものや、中長期的な賃貸経営でかえって逆効果になるものも存在するため、安易に取り組んでしまうと後悔することも多々あります。そのポイントをご案内します。
賃貸経営のキャッシュフロー改善を意識する
賃貸アパートやマンションの空室対策で目指すのはキャッシュフローの改善。
そしてキャッシュフローを劇的に改善するためには次の2つの視点がポイントになります。
■顧客満足度(魅力)を高めること
■運用利回りを高めること
つまり、この2つのことに反する空室対策には注意が必要になります。
この2つの視点での空室対策は「A(主):顧客満足へのアプローチ」と「B(従):募集(仲介)活動」の2つになります。
A)魅力(顧客満足度)改善
A-1:管理の改善
建物の清掃など維持管理や入居者様のサポートなどが行き届かない状況になると、快適に過ごすことができなくなり「入居者満足度の低下」によって入居者様が減少します。また内見時の物件の第一印象の悪さで入居に繋がらないケースもあります。第一印象を良くするポイントはエントランス・ポスト、居室までの通路、ごみ置き場そして駐車場・駐輪場の4ポイント。特に通路(通路側のサッシの傘)には私物が放置されていない状態は管理の良さだけでなく、入居者の質の良さも感じさせます。
A-2:設備の改善
すでに当たり前になっている設備が不足している場合はマイナスポイントになるだけでなく、必要設備にチェックを入れて物件探しをするため検索で表示されなくなります。つまり誰も見てくれない物件になってしまうのです。その筆頭はインターネット(無料Wi-Fi)、エアコンなど。付加価値になるものとしては宅配ボックス、オートロック、モニター付きインターフォンそして近年注目されているのが食料などの防災対策です。
A-3:デザインの改善
ファッションと同じように物件のデザインはとても重要なポイントです。どこにでもある内外装の場合、環境や設備などの条件が似たようなものであれば、最終的には家賃の比較にならざるを得ません。
特に築古物件や想定する入居者のニーズと合わない間取りの場合などは、大規模修繕と同時にリフォームやリノベーションを行うことで人気物件に生まれ変わらせることができるチャンスと考えることもできます。その際の重要なポイントがデザイン性。実績のある建築デザイナーが関わることで魅力的な収益物件に生まれ変わらせることができます。
多額な費用がかかるイメージを持たれている方も多いと思いますが、効果的なポイントに絞ってリフォーム・リノベーションをしたり、家賃倍率やリフォーム利回りから収益物件化を提案してもらうことが空室対策&賃貸経営成功のポイントです。
A-4:入居者の対策
設備やデザインなどの基礎になるのが「入居者の想定」と想定した入居者の「ニーズ」。環境や条件からどのような入居者をターゲットとして想定するのか。そのターゲットは何に心を動かされ、どんな暮らしに憧れているのか。これをターゲティングとベネフィット(インサイト)と言いますが、ファッションと同様に、憧れを刺激できる物件は多少高くても住みたいと思わせる力を持ちます。
もちろん周辺のエリア特性調査、競合調査、家賃調査などの基礎的なリサーチは必須となります。その上で、「憧れ」を「誰に」感じてもらうのがいいのかをしっかりと対策することが重要です。
B)募集力(仲介力)改善
B-1:募集内容の改善
物件の魅力と想定する入居者を把握したうえで、対象物件エリアのメインターゲットを定め募集計画を策定することになります。
競合物件や物件・設備の状態を比較し魅力を引き出すポイントを絞り込み、募集に使用する画像の表現やメッセージなどを作りこむことで、魅力が伝わりやすくなり、内見への誘導率もアップします。内見の数が増えるほど、入居が決まる可能性も上がります。
B-2:仲介会社の改善
入居者が住まい探しでお世話になるのが仲介会社です。仲介会社は大家さんの代理となる重要なパートナーです。仲介会社の対応によって契約が決まりやすくなるなど強力な空室対策につながります。そのた仲介会社との良好な関係性作りは大切になります。
仲介会社にがんばってもらうために「広告料」などを設定するケースも多々ありますが、ちょっと待ってください。いちばん理想的なのは・・・
(A)の顧客満足度を高める提案と
(B)の募集(仲介)を
ひとつの会社で引き受けられるところを探すことです。その理由は、顧客満足を実現する施策を行ったからには、その魅力を最大限伝えたいと自ずと頑張ってくれるからです。
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