空室対策のポイントと新しいコンセプトの対策と見込める効果を「空室対策1~3」の記事でご紹介しました。今回は安易に取り組んでしまうと後悔することが多い、要注意の空室対策をご案内します。
空室のリスクと安易にやってはいけない空室対策
1) 空室がもたらすリスク
賃貸経営でもっとも注意しなければならないのが「空室」です。「空室」は「家賃収入がない」という状態で、賃貸経営にとってキャッシュフロー悪化の大きな要因であり、また不動産投資として購入運用した場合は、購入時のローン返済ができなくなるリスクとなります。
空室であっても管理費は同じだけかかってくるだけでなく、長期空室の場合は仲介担当者に「成約しにくい物件」と認識されてしまうことで紹介されにくい物件になってしまいます。
2) 安易にやってはいけない「広告」
この手法の効果はどちらもそのときかぎりで、根本的な問題が解消できていないと、次の空室時にはまた同じ問題に直面する可能性が高くなります。
3) 安易にやってはいけない「家賃の値下げ」
短期的な視点で考えた場合、家賃の値下げは最もシンプルな対策です。しかし賃貸経営を行う上で、家賃の減額はおすすめしません。
家賃の値下げを安易にするとせっかく空室が埋まっても、最終的には経営を圧迫することになります。家賃を下げるということは、いますぐに実行できる“最も簡単”な空室対策ですが、それは言い換えれば“最もリスクのある”対策だということです。
アクシオンにご相談に駆け込む大家さんの多くが、これ以上下げられない、というところまで家賃の値下げをしてしまい、それがキャッシュフローを圧迫していました。
つまり家賃の値下げにより、たとえ満室になっても賃貸収入のトータルは減少します。いったん家賃を下げてしまえば、家賃を上げにくくなってしまいます。それどころか、家賃の値下げが周辺の賃貸アパートやマンション価格に影響し、地域の家賃相場を下げる引き金になってしまうことも考えられます。
これによって家賃の値下げ競争となり、巡り巡ってさらに値下げせざるを得ない状況を作り出してしまうということもあり得ます。
4) 入居条件の変更
入居条件の変更・緩和は、これまでと違った入居者へのアプローチとなり、しっかりと対策を講じた上であれば、とても有効な空室対策になります。しかし対策なしで、入居条件を緩和するだけであればリスクも伴います。
その代表例を次にご紹介します。
<ペットの飼育を可能にする>
コロナ渦以降、ペットを飼いたいというユーザーは大きく拡大しました。またペットを飼える賃貸物件も増えつつありますが、まだまだ不足しているため、ペット飼育可へ条件変更すると空室対策として効果があります。
しかし、ペット飼育可にして成功している物件は、しっかりと対策もされています。その理由が、以下のような問題です。
・ペットのにおい
ペットのにおいが室内に残ったり、廊下や駐車場など共用部にマーキングするなどが考えられます。そのため床や壁紙などはニオイが付着しにくいものにしたり、エチケット・マナーを理解いただく必要があります。
・ペットの鳴き声
窓を開けてなくても、ペットの鳴き声や騒音は苦情となります。大型になるほど騒音も大きくなるため、においに限らずペットを飼育する条件や規約はしっかりと整える必要があります。
入居者がしっかりと規約を守る賃貸物件は、人とペットの共生による、まさに理想的な物件にすることができます。
<外国籍の人を受け入れる>
外国籍の方全員がリスクがあるということではなく、多くの方はしっかりと習慣を理解して暮らしています。しかし言葉が通じず、自分の国の感覚で暮らすなどの場合トラブルとなる恐れがあります。
また家賃を未納で帰国されてしまうリスクもあります。このケースの場合は、国内とは事情が異なり、家賃の回収は難しいでしょう。
・有効な対策
■家賃保証会社と契約する
■日本での勤務先/就業先を確認する
■日本での居住期間や日本語力を確認する
■管理会社と情報共有しサポートしてもらう
日本の国際化がさらに進むこれからは、外国人も視野に入れたり、ペット需要に応えペット飼育物件は、対策とセットであれば有効な空室対策になりえます。
しかし、広告や家賃や初期費用の値下げは、すぐに実行できるからと言って安易にやってはいけない空室対策です。
キャッシュフローの悪化は、賃料を維持するリフォーム対応や、付加価値をアップし収益向上をもたらすリノベーションなど、賃貸経営の収支最適化ができなくなってしまいます。
<賃貸アパート・マンションの空室に悩んだら>
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<空室対策記事>
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